2つが一緒にならないとくっつけられない接着剤があります。それが「2液性エポキシ樹脂系接着剤」です。エポキシ樹脂系接着剤(以下「エポキシ接着剤」)には大きく分けて「1液性」と「2液性」がありますが、今回はホームセンターや100円ショップなどでよく売られている「2液性エポキシ接着剤」の特徴と使い方をご紹介します。
エポキシ接着剤とは
エポキシ接着剤とはエポキシ樹脂を主成分とする接着剤の総称です。エポキシ樹脂にはさまざまな種類がありますが、「A、B」や「主剤、硬化剤」などと書いた2つがセットになっているものがエポキシ接着剤を見分ける1つのポイントです。この2つが混ざることでくっつけることができるようになります。
そして、瞬間接着剤など他の接着剤と比べ様々な面で高い性能を持っています。
代表的なものとしては、
・接着力が強い
・水に強い
・薬品に強い
・熱に強い
・硬化収縮しにくい
・屋外での耐久性が強い
・電気を通しにくい etc.
2つを混ぜるエポキシ接着剤の使い方
①表面についている余計なものを取り除く
くっつけるものの表面の汚れや油、水分などは必ず取り除きましょう。それをしないとしっかりとくっつかないことがあります。
他の接着剤を使うときも必ず行いましょう。
②計量
書かれた分量通りにA剤とB剤(主剤と硬化剤)を出してください。それぞれの割合や量り方は商品ごとに違うので注意書きなどを確認してから行ってください。
上:容量比(比較的少数派)
下:重量比(多くの商品はこちら)
ポイント①
書かれた分量通りしっかり量ってください。±5%の誤差を超えると固まらない場合があります。
ポイント②
容器のふたは付け間違えると固まってしまいますので付け間違えないようにしてください。
③混合
しっかり混ぜ合わせます。混ぜムラがあると固まらない部分ができ、しっかりくっつかなくなるので注意してください。また、2液を一緒にした時から反応が始まるので書いてある可使時間に注意しながら作業を行ってください。
ポイント
混ぜるときは一定方向だけでなくいろいろな方向に端までしっかり混ぜてください。目安は全体的に色が均一になるまで。液が透明の場合は見極めが難しいですが、靄のようなものが見える場合は混ぜが足りないのでよく混ぜてください。
※可使時間とは
混ぜ始めてから作業を行うことができる時間。これを過ぎるとうまくくっつかなくなります。また、気温によって前後します。
④塗布、貼り合わせ
くっつけたいものに薄く塗り広げて、もう片方のくっつけたいものを貼り合わせてください。量が多くはみ出した部分は拭き取れますが、固まってしまうと取り除けなくなるので注意してください。
ポイント
混ぜた接着剤の端部分やコップなどの壁や隅、ヘラについた液はしっかり混ざっていないことがあります。もったいないと思うかもしれませんが、その部分に付いた液は使わないようにしてください。
⑤固定
貼り合わせた後は固まるまでしっかりと固定してください。固定時間は商品によるので注意書きなどを確認してください。
ポイント①
使うところの温度が高いと速く固まり、低いとなかなか固まらなくなります。夏用と冬用などに分けて販売しているものもあるくらいです。くっつけるものや接着剤自体を温めたり冷やしたりしていても変わります。
ポイント②
くっつく力(接着力)がとても強いため、一度固まると簡単には外すことができません。
用途に合わせて作られているエポキシ接着剤
エポキシ接着剤は成分のエポキシ樹脂の種類、硬化剤の成分や2液の組み合わせにより固まる時間や用途などに様々な特徴を持たせることができる接着剤です。そのため、各社から用途や特徴(5分硬化タイプ、耐熱性、コンクリート用など)ごとに数多くの商品が販売されています。
瞬間接着剤などに比べひと手間かかりますが、使う用途によっては瞬間接着剤など他の接着剤よりも優れた性能を発揮します。