瞬間接着剤を使った時、まわりが白くなったり、保管していた容器が白くなっているということがあります。それらは瞬間接着剤の「白化現象」と言います。今回はそんな「白化現象」についてご紹介します。
白化現象の起こる仕組み
白化現象とは、瞬間接着剤をつけた周りが白くなる現象のことです。
そもそもなぜ白化現象は起きるのか、その原因は瞬間接着剤の主成分であるシアノアクリレートにあります。固まる前の瞬間接着剤から微量のシアノアクリレートが揮発し、周囲の空気中の水分と反応して白い粉のようになります。この粉が瞬間接着剤をつけた周囲を覆うことで白く見えるのですが、特に湿度が高いときは白化現象が起こりやすいので注意が必要です。また、梅雨の季節は瞬間接着剤にとっては大敵なので注意してください。(過去記事参照)
また、周りが白くなることで見た目としては気になりますが、瞬間接着剤の性能や品質に問題はありません。
白化現象を防ぐには
せっかくくっつけたのに周りが白くなってしまった・・・品質や性能が変わらなくても見た目としては気になります。白化現象を抑える対策をいくつかご紹介します。(どれだけ注意しても起こるときは起こるのですが・・・)
1.瞬間接着剤を塗る量に注意する
瞬間接着剤を塗りすぎて貼り合わせたときにはみ出してしまうと白化現象が起きやすくなります。瞬間接着剤は多く塗っても強度が上がるなどの効果はありません。くっつけたときに瞬間接着剤がはみ出てしまうと、はみ出た部分の固まるのが遅くなり白化しやすくなります。瞬間接着剤は塗って押さえれば一滴で10円玉くらいまで広がります。それを目安に適度な量をつけてください。
2.瞬間接着剤を速く固めてしまう
瞬間接着剤が固まるのが遅いほど成分の揮発する量が増えるため反応して落ちてくる量が増えます。その分、白化が濃くなります。ですので、速く固めて揮発する成分を抑えることで白化の防止につながります。速く固める方法としてはドライヤーなどを当てて温める方法や硬化促進剤を使う方法があります。(硬化促進剤についてはこちらの記事を参照)
3.風を当てる
瞬間接着剤は固まる前は必ず成分が揮発しており、くっつけた周りに漂っている状態だと、量が少なくても白化の要因になります。そこで、風を当てることでくっつけた周りにとどまらないようにすることで白化現象を抑えることができます。ただし、息を吹きかけることは瞬間接着剤の揮発した成分を多量に吸い込む可能性があり危ないため、やらないようにしてください。
4.湿度に注意する
湿度が高いと揮発した成分が多く早く反応し、反応して白くなった粉がたくさん落ちてきます。ですので、瞬間接着剤を使う作業は雨の日や加湿器をつけた部屋は避けて行うことで白化しにくくなります。
5.白化しにくい瞬間接着剤を選ぶ
白化しにくいように調整された瞬間接着剤が各社より販売されています。また、瞬間接着剤に光(UV)硬化性を付与するなど速く固めることができる商品もあります。
白化の取り方
白化現象はいくら注意しても瞬間接着剤の性質上起こるときには起こります。ですので、もし起こってしまった時の取り方をご紹介します。
白化は白くなってからの時間や量によって取れる場合と取れない場合があります。
・時間があまり経っておらず量も少ない場合
布などで拭くと取れる場合があります。時間が経っていない場合、はみ出した瞬間接着剤がまだ固まり切っていない場合があるので注意しながら拭き取ってください。
・布などで拭いても取れない場合
除光液(アセトン)等をつけた布などで拭いてください。白化以外(塗装や材質)に影響する可能性がありますので影響がないか確認の上注意して拭き取ってください。
・それでも落ちない場合は最終手段
削り落とすか、上から塗料などを塗り隠してください。白化したものは瞬間接着剤の固まったものと同じなので量が多いと簡単には取ることができません。また、時間が経つと固くなるため取ることが難しくなります。