
なんでもくっつくように思える瞬間接着剤ですが、実はくっつけられないものがあります。今回は瞬間接着剤の苦手な材質をご紹介します。
瞬間接着剤単体ではくっつけられない材質
瞬間接着剤単体ではくっつけられないものを「難接着材」と呼びます。瞬間接着剤だけでなく、他の接着剤でもくっつけることが難しい材質で、主なものには以下のようなものがあります。
・ポリエチレン(PE)
・ポリプロピレン(PP)
・ポリアセタール(POM)
・軟質塩ビ(PVC)
・ナイロン(PA)
・シリコーン樹脂
・フッ素樹脂(PTFE)
・ガラス※ など
これらの材質は表面がつるつるしており液体をはじく性質があります。見分け方の一つとして、水をはじく(水玉が乗ったようになる)材質は難接着材の可能性があります。
これらの材質をくっつけられるようにするための製品もありますので記事の最後で紹介します。
※瞬間接着剤でガラスはくっつけることはできますが、少しの力で剥がれてしまうおそれがあります。ガラスは専用の接着剤がありますのでそちらを使用するようにしてください。
通常の瞬間接着剤ではくっつけられない材質
それは「発泡スチロール」です。発泡スチロールに瞬間接着剤を使うとどうなるか・・・溶けます。瞬間接着剤を塗ったところからじわじわと溶けてしまいます。これは瞬間接着剤に含まれる成分や固まる時の熱が原因です。
くっつけられないというよりはくっつける材質に影響してしまうので使えないということになります。
発泡スチロールをくっつけたい場合は水性接着剤や発泡スチロール用の接着剤を使うようにしてください。


アルテコ FS800(工業用)
瞬間接着剤の種類を選ぶ必要がある材質
瞬間接着剤でくっつけることができるものの、瞬間接着剤の種類を選ぶ必要のある材質があります。それが、多孔質材とよばれるものです。多孔質材は主に以下のようなものが挙げられます。
・木材
・陶磁器
・紙
・布
・皮革 など
これらの材質は表面に無数の細かい穴が開いています。材質同士を貼り合わせる前にこの細かい穴に瞬間接着剤がしみ込んでしまいしっかりとくっつけることができなくなります。また、しみ込むときに急激に反応が進み、高温になるため大変危険です。(詳しい理由はこちらを参照)
多孔質材をくっつけるときは瞬間接着剤以外を使用するか、しみ込みにくい粘度の高い瞬間接着剤を使用することをおすすめします。

712 木工用

714c ゼリー状

瞬間接着剤 アルテコジェル
難接着材を瞬間接着剤でくっつけられるようにする製品の紹介(瞬間接着剤専用難接着材用プライマー)
最後に先ほど紹介した難接着材ですが、瞬間接着剤でくっつけることを可能にする製品もありますので紹介いたします。
液体状でくっつける部分にガーゼやハケなどを使って塗り、前処理を行います。その後、瞬間接着剤をつけて貼り合わせることで、難接着材もくっつけることができるようになります。
PR500

対応できる材質
・ポリエチレン(PE)
・ポリプロピレン(PP)
・ポリアセタール(POM)
・エチレンプロピレンゴム(EPDM)
・軟質塩ビ(PVC)
・オレフィン系エラストマー(TPO)
PR550

対応できる材質
・ポリプロピレン(PP)
・ポリエチレン(PE)
・ポリアセタール(POM)
・エチレンプロピレンゴム(EPDM)
・軟質塩ビ(PVC)
・オレフィン系エラストマー(TPO)
・ナイロン(PA)
PR700

対応できる材質
・シリコーンゴム
・軟質塩ビ(PVC)
RP960

対応できる材質
・フッ素樹脂