寒さが増すこの時期、「瞬間接着剤は寒さが苦手」ということを紹介しましたが、実は他にも寒さが苦手な接着剤があります。それは水性接着剤です。水性接着剤もこの時期の取り扱いには特に気を付ける必要があります。今回は寒い季節における水性接着剤の注意点についてお伝えします。
水性接着剤とは
水性接着剤とは主な成分に水を含む接着剤の通称で、家庭用品品質表示法上では「水性形接着剤」と表示されています。水が蒸発することでくっつきます。詳しい仕組みは以前の記事(お米も水性接着剤!?)をご覧ください。
凍ってしまうとどうなる?
成分に水を含むということは、寒い中だともちろん凍ります。凍ってしまうと解凍しても元には戻りません。
その理由は、水性接着剤とは成分の樹脂(酢酸ビニル樹脂など)を水に溶かしたものというところにあります。水が凍ってしまうと水と樹脂が分離してしまったり、成分が変化してしまいます。混ぜ直せば元に戻ると思われるかもしれませんが、この樹脂は水に混ぜれば溶けるというものではなく、特殊な方法で均等になるように混ぜられています。ですので、凍った後混ぜても(容器を振っても)しゃばしゃばの水や、樹脂の塊が出てきてしまい、しっかりとくっつけることができなくなります。
ちなみに瞬間接着剤などは0℃では凍らないのですが、寒い環境では固まらなくなったり固まるのが遅くなりますのでご注意ください。
凍らないようにするには
凍らない場所に保管するというのが一番の対策になります。
木工用などの水性接着剤をDIYなどで使用されている場合、屋外の物置やガレージ、家の中でも暖房のない玄関や物置などに保管されていることもあるかと思います。寒い地域にお住まいの方はもちろんなのですが、普段暖かい地域でも急な寒波などがあり、一度凍ってしまうと使えなくなるのでお気をつけください。
また、暑さも苦手なため凍らない夏場でも家の中などの涼しい場所に保管するようにしてください。
※容器にマフラーを巻いても凍ることは防げません。